変形性ひざ関節症

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変形性ひざ関節症とは

加齢に伴い、ひざの内側の軟骨やクッションの役割をする半月板がすり減ることでひざの骨(大腿骨と脛骨)が変形する疾患です。男性より女性に多く日本人の約3人に1人は罹患すると言われています。

変形ひざ関節症の症状


変形性ひざ関節症は立ち上がりなどの動き始めの痛みに始まり、歩行時や階段の下りで痛みが生じるようになります。さらに進行すると、痛みのために歩ける距離が短くなり、行動範囲が狭くなります。症状が進むと階段の昇り降りや正座ができなくなっていきます。末期には膝が真っ直ぐ伸ばす事ができず歩行も困難になっていきます。

変形ひざ関節症の原因

痛みを引き起こす原因は、ひざ関節にある滑膜の炎症が原因です。微小骨折は、軟骨の損傷に伴って起こります。滑膜は、ひざ関節を包む関節包の内側にある膜状の組織です。損傷した軟骨の破片が滑膜を刺激して炎症を起こし、痛みを発生する物質がつくられて痛みを感じます。

Method

変形性ひざ関節症の治療方法

代表的な治療方法

内服薬と塗布剤

治療の目標は痛みをなくすことです。変形性ひざ関節症の薬には、消炎鎮痛剤、オピオイド(鎮痛薬)、湿布・塗り薬、鎮痛補助薬(デュロキセチン)などの種類があります。また、使い方によって内服薬、外用薬、座薬などがあります。塗り薬や貼り薬などの外用薬は有効成分が皮膚から吸収され、ひざに直接届きます。外用薬は副作用が少ない分、効果も限定的なので、十分な効果が得られない場合には、内服薬に変更します。座薬は即効性が高いので、痛みが強いときに用います。

運動療法

ひざが痛くなって安静にしていると、筋力が低下し体重が増えてきます。この結果、ひざにかかる負担が増え、軟骨のすり減りや炎症が増加し、痛みが増えるという悪循環に陥ります。運動療法には筋力トレーニング・ストレッチング・有酸素運動が大切です。筋力トレーニングは特に太ももの大腿四頭筋を鍛えて、ひざにかかる負担を減らします。ストレッチングはひざが硬くなるのを防ぐ効果があります。



関節注射

変形性ひざ関節症の注射には、腱や靭帯に注射する「局所注射」と、関節内に注射する「関節内注射」があります。局所注射は、腱や靭帯の痛みに対して、痛みのある部分に消炎鎮痛剤を注入します。関節内注射では、ヒアルロン酸やステロイドを、ひざの関節の中に注入します。ヒアルロン酸はもともと関節内に存在する成分です。衝撃を和らげる作用や潤滑液としての作用がありますが、変形性ひざ関節症が進行してくると、濃度や分子量が低下して、その作用が失われてきます。ひざ関節にヒアルロン酸を注射し補充することで、潤滑性や弾力性を補い、正常な状態に近づけます。



装具療法

変形性ひざ関節症では、足底板という、靴の中敷きのようなものを利用します。ひざの変形が進み、0脚やX脚がひどくなった患者さまに、くさび状の足底板を用いて、ひざの角度を調整します。靴に足底板を入れることよって、体重がひざにバランスよくかかるようになり、ひざの痛みが軽減します。医療用の足底板は、患者さまの状態に合わせたオーダーメイドの足底板です。

手術

手術は、高位脛骨骨切り術や人工関節置換術(TKA・UKA)があります。手術を受けると、歩行時や階段時の痛みが楽になります。一方で、インプラントのゆるみ・破損、感染、静脈血栓などの合併症も問題となります。インプラントの耐用年数も上がり、手術術式・リハビリなども改善され、ゆるみ・破損の可能性は減っていますが、若い年代で行うことは慎重に考えたほうがよいと考えています。

再生医療による治療方法

PRP療法

PRPとは多血小板血漿(Platelet Rich Plasma)の略称であり、患者さまの血液中の血小板を濃縮して活性化したもので、成長因子を多く含んだ血漿です。ひざや肘などの患部に注入することで炎症や痛みを和らげることが期待できます。

脂肪由来幹細胞治療

「脂肪由来幹細胞(ASC)治療は、再生医療である幹細胞治療の一種で、患者さまの腹部から採取する脂肪に含まれる「幹細胞」の力を活用する治療です。抗炎症作用により痛みを緩和したり、自然治癒が望めない軟骨組織などの修復が期待できる再生医療の一つとして実用化が始まっています。

従来の治療法にはない「再生」の力を利用する治療法で、抗炎症作用により痛みを緩和したり、自然治癒が望めない軟骨組織などの修復を促すことにより、自己治癒能力を高め、より早い回復など、様々な効果が期待できます。

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